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スクラッチノイズ

どこかで見た名前。と思ったら『ザ・マジックアワー』に出ていた白髪の紳士だった。暑い、暑い日曜の午後、ソファの上をごろごろ転がりながら見たその映画は、厚紙に金紙銀紙を貼っつけて星の形に切り抜いたがごとくいかにも作りものめいていて、作りもののキンキラした豪華さと侘しさが日曜の午後にまことに相応しくわたしにはたいへん愉快だった。白髪の紳士は、売れない役者の主人公が憧れる元銀幕のスター。端然とした佇まいに、なにかとっても面白いことをこらえているような茶目っ気あふれる目と口元が愛らしく、愛らしいなんて殿方に向かって失礼だけれども愛らしく、エンドロールで名前を確認したのはほんの数日前の出来事。
その名前とともに、『ジャズから演歌、端唄長唄浪花節 こゝと思へばまたアチラ 平成の宮武外骨(へんじんきじん)が語り下す 奇譚快談ジャズ講談??』なあんて惹句が腰巻に踊っていたら、これはもう読まずばなるまい。

永六輔氏の前説によると、柳澤愼一という人はとにかく目立つことがきらいで、たいへんな気いつかいで、一人でいることが好きで、長い付き合いなのに一緒に食事すらしたことがないという。
ところが頁をめくれば知識の津波情報の渦。明治元年から大正十四年まで、一年刻みにジャズの歴史や流行歌、世相風俗政治に文化、ダジャレ都々逸巨人の悪口、時間空間自在に行き来し、目と口元がこらえていたとっても面白いことを惜しげもなく披露する。まさに柳澤愼一オンステージ。ひとりジャムセッション。読むのが楽しくて楽しくて、電車を乗り過ごしてしまった。

『奥様は魔女』のダーリンの声もこの方。
「人間はいろんな顔を持っているもんでしょ?その顔が人よりちょっと多いだけ」さらりと語る白髪の紳士の別の顔を見に、今度銀座のジャズクラブに行ってみようと思う。


明治・大正スクラッチノイズ (ウェッジ文庫)明治・大正スクラッチノイズ (ウェッジ文庫)
(2009/06/19)
柳澤 愼一




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on View

ヘイ、ユー。チラ見はダメだぜ。

マイスペース

暑中

本日発売の雑誌「MySpace From JP.」に我が家の絵描きの作品が掲載されました。
http://www.myspace.com/fromjp


「夏」をテーマに描き下ろした新作です。
お求めは全国の書店、HMV、TSUTAYA、コンビニにて。
是非ご覧くださいまし。

ファンタジー

昨日は朝からトラブル続きでてんてこまい。窓も時計も見るのを忘れ午後もずいぶん過ぎてから、あれ、日食どうなったんですか。
築何十年のビルの行き先階ボタンを押してもランプのつかないオンボロエレベーターで二階から最上階にのぼり、ぐらぐら足元不確かなベランダと呼べなくもない張り出しに出た。天を仰げば雲の切れ間にお日さま、とうにまんまるに戻っていらしゃる。

せっかくなので生温い空気にしばし身をさらす銀座中空。ふと思い出したなつかしの風船おじさん、一体どうしているんでしょうねえ。ひとりごちに古株ねえさまがあら、と反応した。風船おじさんってこのビルの地下でお店やってたのよ。えぇーっ!? 初めて聞きましたよそんな話。

行き先階ボタンを押してもランプのつかないオンボロエレベーターで地下から最上階にのぼり、ぐらぐら足元不確かなここに立って風船計画を練る風船おじさん。お日さまとお月さまが互いをむしゃむしゃ食べるさまを風船に吊られたヒノキ風呂につかって見物してる風船おじさん。想像するだけでわくわくするな。
ファンタジー号は今もどこかを飛んでいる。

寝た子を起こすサマータイム

暑いですね。夏ですね。サマーですね。
暑くて寝ていられないというのに身体は眠りを欲してまぶたが垂れ下がってくるサマーですね。
天下のNHKを凌ぐ量を誇るという小三治師匠の「サマータイム」コレクションを子守唄に延々午睡を貪りたいサマーですね。

ある夏の日。
この曲をかけた途端、寝ていた夫が「何これ?」と飛び起きました。
Brrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr... uck
Chuck a-chuck-chuck huh! yeah!





Summertime / Billy Stewart(1966)



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クリムゾンから福田さんまで

吾妻光良&The Swinging Boppers

*渋谷 CLUB QUATTRO  18:00~
 ゲスト:ブルース愛好中年殺しのLeyona嬢


今夜、東京都渋谷区で福田元首相の支持率が極地的にアップしました。
総選挙に向けて福田さんの選対は要チェック。

クリムゾン宮殿では、乳首の透ける白いシャツを着た王様が夜なべでブルースを歌ってるんですってよ。
クリムゾン宮殿、クリムゾン宮殿、クリムゾン宮殿、ゴゴッゴー!

ちょっとだけ

おなじ親に育てられたねえちゃんならわかってくれると思って。

うん、わかるよ。ようくわかる。
持って生まれた性質もあるとはいえ、やっぱり親の影響は大きい。
でも、あの頃おかあさんはこういう気持ちだったのかなあと想像したり、ちょっとは理解できるようになってきたように思う。
大人になった今だからそう言えるだけかもしれないけれど。

ただ、あんなに厳しかったのに、なぜドリフは無条件OKだったかは今もって謎。





あんたも好きねえ。

不協和音

すっかりしびれてしまった。しびれる、なんて月並みな言い方しかできないのがはがゆい。女殺油地獄の豊島屋の段。義太夫三味線のどこまでも調和しない、溶け合わない、でろりとした不協和音に、とにかくしびれてしまったのだ。

不協和音不協和音不協和音、間、不協和音不協和音不協和音。

油まみれでもつれながら死の淵へ、追い詰め追い詰められる男と女はまるで、緊迫した音を繰り出す三味線の糸に操られているようで。そうそう、この芝居はもともと人形浄瑠璃なのだった。是非とも文楽で見てみたい。映画はどうなんだろう。松田優作のテレビ版もあったっけ。あの非情なアゴは与兵衛にいいかも。そもそも優作なんて存在が不協和音だ。

不協和音不協和音不協和音、間、不協和音不協和音不協和音。

調和しない、溶け合わない、男と女がそれでも、調和しようとして、溶け合おうとして、あげる悲鳴のような音がした。あがいて、もがいて、でろり、でろでろ。
不協和音不協和音不協和音、恐ろしいまでの沈黙。そうして髪の毛の先端までしびれてしまったのだった。

与兵衛

竹寺にて

上へ上へ伸びる竹につられて上ばかり向いていた視線をひょいと地面に戻す。

竹


穴


見えない部分が大事。見える部分も大事。

弔い

しげるの花嫁は余命5日間の花嫁でした。
重みのなくなった黒い塊を煙草の箱に入れ、からから電車に揺られて鎌倉に行きました。
鎌倉の川のほとりの庚申塚の大きなお顔の石像の足元に、黒い塊をそっと横たえ、煙草を一本手向けました。
あとは蟻に任せましょう。
空になった煙草の箱から瓜のような甲虫の匂いが漂いました。
さよならなっちゃん。

横浜は野毛に移動して萬里で焼餃子、水餃子、蒸し鶏、牛バラの煮込み、エビやきめし、青島ビール、紹興酒。平岡正明に合掌。

願いごと

星どころか空からも切り離された銀座の地下道に笹の葉さらさら五色の短冊。枝が折れそうなほどたわわ、ざわわな願いごと。夢や希望や願いがあるのはいいな!ひとつわたしも願いごとをしてみよう。
きれいな水色の短冊を選んだ。何を願おう。願いごとが浮かんでは頭の中で取り消し二重線を引く。どれもわざわざ星に願うほどのことではないように思える。いやいやこうやって言葉にすることで夢が現実に一歩近付くんだと自己啓発本にでも書いていそうな、読んだことはないけれど、書いていそうなことを思い背中がかゆい。目もかゆい。猛烈にかゆい。目のかゆみがとまりますように。取り消し二重線を引いてハンコまで押す。なぜ取り消す。欲望に素直に従えないのがわたしがわたしである所以でわたしの限界だ。わたしわたしってうるさいな。ならばもっと壮大で身の程知らずでわたしではない願いごとをしよう。
きれいな水色の短冊に「世界」と書いてつるした。世界がほしい。いいじゃないか。

いのち短し恋せよしげる

元気で器量がよい娘を!と、我が家の遣り手ジジイが選んだお嫁さんがやってきました。
花嫁、到着するやいなや早速活発に新居を点検。お気に召していただけたかしらん。
バナナのウェディングケーキで華燭の典をと張り切ったのに、花婿は花嫁の存在にすら気付かずぐっすりと夢の中。

        夏子

        ↑この辺りにもぐって惰眠を貪るしげる。これだから男は…。

 
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