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金魚たらし

京琳派 神坂雪佳展 ~宗達、光琳から雪佳へ~

*日本橋高島屋8階ホール
 平成18年5月24日(水)~6月5日(月)

神坂雪佳展

金魚がこっちを見つめている。口をぱくぱく、ひれがゆらゆら、今にも動き出しそうな金魚のポスターに心惹かれて日本橋へ。

神坂雪佳という人を初めて知った。明治から昭和にかけて活躍した琳派の継承者にして近代デザインの先駆者。絵画だけでなく染織、漆器、陶芸、室内装飾、造園と幅広く才能を発揮し、多大な業績を残したものの、戦後、忘れ去られた存在だったらしい。
ふんわりやわらかな色彩と抑えた線、そして大胆な構図の絵の数々。四季の草花が画面いっぱいクローズアップで描かれたり、一双の屏風の右隻は下部で、左隻は上部でトリミングされていたり。「たらし込み」という絵具の自然なにじみを利用した技法が、木肌や岩肌の質感を高めている。
お目当ての金魚は、掛け軸の上の方にぽわんと浮かび、表装は葭簀にお見立て。うちの床の間に飾りたい~って、床の間ないけど。水や波をシンプルに図案化した「海路」は、100年も時を経ているとは思えない新鮮なデザイン。こんな意匠の着物が欲しい。

また、雪佳が影響を受けたという中村芳中の作品も、一目見て好きになってしまった。まるい。絵も、署名の字もまるっこい。波に千鳥のまるく愛らしいこと。雪佳以上にたらし込みを駆使して描かれた草花図は、たいへん伸びやかであたたかい雰囲気。

忘れられていた雪佳が注目されるようになったのは、近年、海外での評価が高まったためだそうだ。浮世絵なんかと一緒ですね。その雪佳は、明治34年(1901年)35歳のときに半年間ヨーロッパに滞在。アール・ヌーヴォーを中心とした美術工芸運動を体験し、日本の装飾意匠の影響力を再認識したとのこと。
自国のものをきちんと評価し受け継いでいくことの大切さを、金魚があらためて教えてくれた次第。

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